この度VOUにて、2023年12月11日(月)-2024年1月5日(金)まで、小宮太郎と彦坂敏昭による二人展「地面カルチャー」を開催いたします。共に1980年代生まれの二人の美術作家は、世の中のさまざまな事象に対し独自のアプローチで触れることを試みてきました。そして、それぞれのプロセスで生成された現象を扱い、他者と感じ考えるための素材として機能する表現を展開してきました。
本展のタイトル「地面カルチャー」は、二人の何気ない会話の中で出てきた言葉です。二人ははじめ、ふと立ち現れた「地」と「面」の結びつきから成るこの「地面」という言葉と、「大地」が持つイメージとの齟齬に関心と疑問を持ちました。いうまでもなく「大地」は「地球」と言い換えることができ、その雄大さや自然は、人の営みにとっても重要な存在です。他方「地面」は、その名称が指し示す対象に不確かさがあるように感じられます。「地面」は、当たり前に今この下にある「確かな存在」であると同時に「不確かな存在」でもあり、人はこれまでにこの「地面」と絡まり合いながら文化を育んできた歴史を持っています。
二人の思考は、その後、「地面カルチャー」を巡る二つのエピソードに出会うことで展開していきました。一つは、VOUの店長から聞いた「マイケル・ジャクソンが薄いマットレスで寝ていた」という話。もう一つは、研究者である清山さんから聞いた「巨椋池干拓地の成り立ち」について。本展では、これらのエピソードと、それぞれの作家が持つテーマとが出会うことで新たに展開された作品と、これまでの旧作とを展示します。また、会期中にはゲストと作家によるハプニングを予定しています。この不確かな「地面」に触れ直す試みを通じて生成された、現象としての「地面カルチャー」をぜひご覧ください。


1985年、神奈川県川崎市生まれ。現在は滋賀県大津市在住。滋賀県のシェアスタジオ「山中suplex」のメンバー。人間の”みること”の能動性をテーマに、絵画や写真作品をはじめ、高速回転して残像を見せるオブジェ、マスキングテープを使ったトロンプ・ルイユ(騙し絵)のインスタレーション作品など様々なメディアを用いながら作品制作を行う。それらの作品は認知されていない領域を知覚するための装置でもある。2023年「VOCA2023」 (上野の森美術館・東京) 主な展覧会に、2022年「basement #01 五劫のすりきれ 」 (京都文化博物館・京都) 2021年「Soft Territory かかわりのあわい」 (滋賀県立近代美術館・滋賀) 2021年「Mind Sights」 (MAHO KUBOTA GALLERY・東京)など WEB|komiyatarou.com
彦坂敏昭 HICOSAKA Toshiaki1983年愛知県生まれ。京都市在住。美術作家。人が他者や事物をわかる(わかり合う)状況に強い疑問と関心を持ち、「拾う」「描く」「歩く」などの異なるアプローチから、他者や事物との協働や対話に取り組んでいる。2022年度ロームシアター京都リサーチプログラムリサーチャー。2015年にはポーラ美術振興財団在外研修員としてイギリスとアイスランドに滞在。2009年にはポロック・クラズナー財団(ニューヨーク)より制作支援を受ける。主な個展に、京都市京セラ美術館ザ・トライアングル(2022)、大和日英基金(ロンドン / 2017)、AISHONANZUKA(香港 / 2016)、大原美術館(岡山 / 2009)、資生堂ギャラリー(東京/ 2008)。その他に、イギリス、フランス、リトアニア、マレーシアや、国内では兵庫県立美術館、京都芸術センター、東京都現代美術館などでのグループ展に参加。近年は、アーティストの鬣恒太郎と前谷開との共同でのリサーチと制作を試みる〈木曽路〉の活動も精力的に取り組んでいる。 WEB|hicosaka.com
1992年京都生まれ。遍在性の高い現代風景に、そこならではのローカリティを探す調査・執筆・制作を、地域計画学研究として行う。京都大学大学院建築学専攻助教。 WEB|kyoto-u.ac.jp
1983年生まれ。京都市立芸術大学美術学部工芸科漆工専攻卒業、同大学美術研究科メディア・アート領域博士号取得。郊外、多種性、自然、ストリートカルチャー、振る舞い、即席、移動を鍵語に、それらを都市文化と美術史上の問題に接続することで、現代都市におけるリアリズムを基にした風景・情景・身体・モノの絡まり合いをテーマとした作品制作を行う。とりわけ近年は「自然」の定義を「人間のアクティビティーの彼岸」として捉え、都市の持つ器物性と共異体としての性質に着目し、様々なメディアを用いて作品を展開している。東アジア特有の思想である山水をテーマに、現代の芸術と社会について考えるコレクティブ「山水東京」のメンバーとしても活動。近年の主な展覧会に、「アーバン山水」(Kudan house、2023)、「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」(東京都写真美術館、2022)、「ON―ものと身体、接点から」(清須市はるひ美術館、愛知、2022)、「constellation #02」(rin art association、群馬、2021)、「東下り」(WAITINGROOM、東京、2019)、「鏡と穴-彫刻と写真の界面 vol.3 水木塁」(gallery αM、東京、2017)、など。 WEB|mizukirui.net
1980年生まれ。 金属造形やデジタルファブリケーションの技術を使い機械やコンピューターを組み込 んだ彫刻を制作、 自身でパフォーマンスを行ったり、 観客参加型のイベントを仕掛け、 公共空間を中 心に発表を行う。 ファブラボ北加賀屋(2013~)を共同設立。 主なグループ展に「 平成美術:うたかた と瓦礫デブリ 1989‒2019」(2021) がある。 WEB|kyoto-art.ac.jp
1998年山口県生まれ。現在は横浜に在住。グラフィックデザイナー。京都芸術大学情報デザイン学科を卒業後、東京のデザイン事務所をを経て独立。グラフィックとモーションデザインの領域を行き来しながら美術施設や文化施設のビジュアルデザイン、展覧会の広報物などあらゆるものづくりに取り組む。また個人でもグラフィックや映像作品を制作・発表をしている。 WEB|taiheitakei.tumblr.com
1987年京都府生まれ。 2010年京都精華大学デザイン学部デジタルクリエイションコース卒業。 卒業後、京都精華大学のサテライトスペース「kara-S」の運営・プロデュースを行う。 2015年5月に自身のスペース「VOU/棒」をオープン。2019年に「VOU bldg./棒ビル」として移転オープン。 WEB|voukyoto.com